技術コラムの第5回として、シリーズ「バイオマスガス化とタールの科学」の第2回「タールを分類する ― 一次・二次・三次タールと露点」を公開しました。
前回は、木を加熱すれば必ずタール蒸気が生まれ、それが炉の中で分解されるかどうかは通り道の温度と環境で決まることを解説しました。今回は「どんなタールが出てくるのか」がテーマです。タールは何百種類もの物質の混合物で、生まれた温度によって一次・二次・三次タールへと顔ぶれが変わり、温度が上がるほど総量は減る一方で、残ったタールは重く分解しにくいものになっていきます。
後半では、タールが液体に戻り始める温度「露点」を取り上げます。木質ガス化ガスは、燃料の一部であるタールが吸気管の中で凝縮しうるという、エンジンにとって前例のない燃料です。五つのタールクラスの考え方をもとに、露点を決めているのはタールの総量ではなくごく微量の重い成分であること、そして冷却器からエンジンまでのガスの通り道で露点をどう使うか、設計の基本となる三つの考え方を、3点の模式図と過給機の損傷写真とともに整理しています。
本シリーズは、大阪大学名誉教授(燃焼工学)の香月正司先生に監修をいただいています。次回は、ガス化炉の形式ごとに異なるタール対策の考え方と、それぞれの得手不得手を解説する予定です。
【第5回】タールを分類する ― 一次・二次・三次タールと露点(バイオマスガス化とタールの科学 その2)を読む
あわせて、シリーズ第1回「ガス化炉の中で何が起きているか ― タールはなぜ生まれるのか」(技術コラム第4回)、および第1回「回転ドラム乾燥機はなぜ燃えるのか 過乾燥とCO発生の因果」、第2回「乾燥機を止めても、危険は下流へ移動する 搬送・集じん・貯蔵に残る火災リスク」、第3回「FIT40円/kWhは、熱を捨てる前提で計算されている 2027年度の判断と稼働率の問題」もご覧ください。

