技術コラム第8回「バイオ炭とは何か ― 炭にして土に戻すという考え方」を公開しました

木質チップ(左)と、それを炭化してできたバイオ炭(右)

技術コラムの第8回として「バイオ炭とは何か ― 炭にして土に戻すという考え方」を公開しました。連載中のシリーズ「バイオマスガス化とタールの科学」とは別の単発記事で、バイオ炭の全体像を初めての方向けにまとめた概説です。

先日開催されたFORESTRISE2026で、バイオ炭についてのご質問を数多くいただきました。「木炭と何が違うのか」「炭を畑に入れると本当に二酸化炭素が減るのか」「ガス化発電から出てくる炭も同じように使えるのか」といった内容です。今回の記事は、そうしたご質問にまとめてお答えするものです。

バイオ炭の定義(低酸素下で350℃を超える温度で加熱して得られる固形物)から始めて、なぜ炭にすると炭素が土の中に長くとどまるのか、加熱温度を上げるほど収率は下がるが安定性は上がるという設計上のトレードオフ、多孔質材料としての土壌改良効果とその限界、そしてJ-クレジット制度での炭素貯留量の数え方までを、図3点と表2点で整理しました。熱分解による炭とガス化炉から出るチャーとで評価が大きく違う点、クレジット収入だけで施用コストをまかなうのは容易でない点にも触れています。

あわせて、コンクリートや建材への混和、製鉄・鋳造でのコークス代替、水処理といった土壌以外の用途、および品質・安全性(重金属、PAH、シアン)と廃棄物処理法・肥料法上の注意点も取り上げました。バイオ炭については、今後あらためてシリーズとして取り上げる予定です。

【第8回】バイオ炭とは何か ― 炭にして土に戻すという考え方 を読む

あわせて、連載中のシリーズ「バイオマスガス化とタールの科学」もご覧ください。第1回「ガス化炉の中で何が起きているか ― タールはなぜ生まれるのか」(技術コラム第4回)、第2回「タールを分類する ― 一次・二次・三次タールと露点」(技術コラム第5回)、第3回「タールとどう付き合うか ― 炉の中で分解するか、炉の外で取り除くか」(技術コラム第6回)、第4回「タールを測る ― ガスのどこで何を測れば炉の状態が分かるのか」(技術コラム第7回)。

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この記事を書いた人

笹内 謙一のアバター 笹内 謙一 代表取締役 / 技術士(総合技術監理・衛生工学部門)

株式会社PEO技術士事務所 代表取締役。技術士(総合技術監理/衛生工学部門)、技術士登録番号87790号。大手プラントエンジニアリング会社を経て、2019年に当事務所の代表取締役に就任。バイオマス発電・ガス化発電の技術評価、燃料乾燥装置の開発、事業性評価を専門とし、設備を販売しない中立の立場で発注者側の技術支援を行っています。経済産業省「令和6年度新エネルギー等の保安規制高度化事業(バイオマス発電設備の事故防止のための調査)」では、固体バイオマス燃料の燃焼・火災・爆発の原理と事故の類型化を扱う章を執筆。NEDO「バイオマス技術導入ガイドブック」、日本木質バイオマスエネルギー協会「バイオマスボイラー導入マニュアル」の作成にも関与。木質チップ乾燥装置 Dried Sieve®(特許第7875570号)の発明者。バイオマスガス化発電の係争案件では、裁判所選任の技術鑑定人を務めています。

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