技術コラムの第7回として、シリーズ「バイオマスガス化とタールの科学」の第4回「タールを測る ― ガスのどこで何を測れば炉の状態が分かるのか」を公開しました。
前回は、タール対策には炉の中で分解する一次対策と、炉の外で取り除く二次対策の二つの道があり、どちらにどれだけ頼るかは設備全体の構成で決まることを解説しました。今回は、その対策が効いているかどうかを「測る」話です。実際にトラブルの原因を調べようとすると、まず困るのが「測っていない」ことです。測る場所は知りたいことによって変わりますが、いちばん基本になるのは、ガス化設備からエンジン設備へ燃料ガスを受け渡す位置です。ここの値は、ガス化側がエンジン側に対して品質を約束する成績証明書であり、トラブルの原因がどちら側にあるのかを切り分ける根拠にもなります。
測る量は、タール濃度・露点・微粒子・ガス組成と温度差圧の四つです。正式な測定法として欧州規格CEN/TS 15439(タール・プロトコル)を取り上げ、同じガスを測っても重量法タールとGC検出タールは一致しないこと、目安値が出典によって大きく違う最大の理由も測定法にあることを解説します。あわせて、濃度だけでは分からない「どこで詰まるのか」に答える露点の測り方・見積もり方と、メタン濃度・温度・差圧・分解点検といった日常の運転で使える代わりの指標を整理しています。
本シリーズは、大阪大学名誉教授(燃焼工学)の香月正司先生に監修をいただいています。次回は「タールが着いた先」をテーマに、給気系に粘着したタールがエンジンの中で何を引き起こすのかを、逆火や異常燃焼のしくみも含めて解説する予定です。
【第7回】タールを測る ― ガスのどこで何を測れば炉の状態が分かるのか(バイオマスガス化とタールの科学 その4)を読む
あわせて、シリーズ第1回「ガス化炉の中で何が起きているか ― タールはなぜ生まれるのか」(技術コラム第4回)、第2回「タールを分類する ― 一次・二次・三次タールと露点」(技術コラム第5回)、第3回「タールとどう付き合うか ― 炉の中で分解するか、炉の外で取り除くか」(技術コラム第6回)、および第1回「回転ドラム乾燥機はなぜ燃えるのか 過乾燥とCO発生の因果」、第2回「乾燥機を止めても、危険は下流へ移動する 搬送・集じん・貯蔵に残る火災リスク」、第3回「FIT40円/kWhは、熱を捨てる前提で計算されている 2027年度の判断と稼働率の問題」もご覧ください。

